それから、長い年月が過ぎ去りました。20年という年月にまわりの景色はすっかり変わりましたが、置き忘れられたように、公園だけが昔のままでした。
のっぽさんの木陰のベンチに、一人の青年がやってきて木を見上げていました。青年は、まぶしそうに見上げながらつぶやいていました。
「あのころのままだなあ」
そのとき、走ってきたのか息を切らせながら、女の人がやってきました。のっぽさんには、その明るい笑顔が記憶のどこかにありました。
「おまたせっ。どうしたの?きょうは公園においでって。ずいぶんひさしぶりだけど、この公園。昔、よく遊んだよね。」
青年は、上着のポケットから小さな箱を取り出しました。
「ダイヤモンドは、買ってあげられないけど、きみを一生守っていくつもりだよ。」
両手で箱をさしだしました。青年は結婚を申し込んだのです。
女の人は、ほほをほんのり染めて
「ありがとう。わたしも、一生ついていくわ。」
そう言って、箱を受け取り、ひざの上で開けてみました。
そこには、プラスティックでコーティングされた四葉のクローバーがついた小さなリングが入っていました。
「わー、かわいい!もしかして・・これって・・・」
「うん、覚えていたんだね。あの日のクローバーだよ。」
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